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責任を取らない組織は何度も失敗を繰り返す ~最近の経験から [現場のシステム]

*久々の更新ですが、なんとか生きています

 様々な組織では、頻度はさておき、プロジェクトというものが発生する。私の業務で言えば、電子カルテの更新や、それに伴う情報システムの導入・運用・更新・廃棄など。
 プロジェクトは何のために行われるかというと、組織の価値を高めるため-まあ具体的には仕事の効率を上げるためだったり、新たな業務を開始して顧客のニーズに応えたり、というものである。

 当然プロジェクトには成否の判断が必要で、うまくいったのならば、何がどう良かったのかを分析するし、悪かったのならその要因は何なのかを明確にしておく必要がある。
 そうしなければ次のプロジェクトにつながらず、せっかくの経験が生かせないからだ。

評価が出来ない組織は、責任も取らない

 プロジェクトは成否の如何によって、関係者への報償や、そして処分というものもあり得る。これは車の両輪のようなもので、報償はあるが処分はない、とか、逆に処分ばかりで報償がない組織というのは聞かない。
 報償も出さず、処分もしない、という組織はある。どんな組織か。それは責任を取らない組織、と換言できよう。

 責任を取らない組織はプロジェクトを評価しない(できない)。評価しないから成功かどうかの判断が出来ない。だから関係者は、最低限の目標が達成できた時点で成功と自己評価する。求められている水準がどうかなど考えない。考えないからそんなところに落ち着いてしまう。
 責任を取らない組織はプロジェクトを評価しない(できない)。評価しないから失敗かどうかの判断が出来ない。失敗と評されるのは誰でも嫌なものだ。だから関係者は、指標が曖昧なのをいいことに、失敗と断じない。誰の目にも明らかであるにも関わらず。

 思えば旧日本軍の作戦行動がまさにそうで、戦争犯罪に向き合わない現政権始めとする歴代右翼政権もこの系譜を継いでいる。最近では過酷な原発事故を発生させた電力会社、そしてそれを取り巻く「原子力ムラ」と呼ばれるクラスタも、同様のメンタリティを持っているように思う。
 何せこのような組織、成否の指標を自分らが持っていると考えている。だからこそ無残な敗北を喫しても、過酷な事故を起こしてさえも、それを失敗とは認めない。いったん認めると「無謬性」に陰りが見えるから、かたくなに自己の論理を振りかざして、強弁しようとする。そして失敗を認めないから、何度も同じ過ちを繰り返す。自分ら以外の多くの人を巻き込んで破滅するまで。

 日本の官僚機構が「減点主義」なのは有名だ。何かをやり遂げるのではなく、何か失敗をしないことが出世を約束する。中国共産党もこれと同じような組織だ。
 こんな組織は構造的に、失敗を失敗と認めず、のらりくらりと逃げ回る。完全に破綻するまで。

 これを「官僚主義」と言う。

 さてこんなことを書いたのは・・
失敗から学べなかった電子カルテ導入病院

 私が懇意にしている人物が働く病院で、電子カルテを導入したのだそうだ。正確にはリプレースだが。
 大変な苦労の末に稼働したシステムだが、その病院が今、経営危機に陥っていると。経営陣は電子カルテ導入をその理由に挙げており、職員の賃金カットを含めた経営再建策をすすめているとも聞いた。

 ところが、その電子カルテ導入で、誰も責任を取って処分された人物や部署がないのだそうだ。経営が傾くほどの打撃を与えたプロジェクトなのに。

誰も責任を取らず賃金カットするのは全職員に責任を押しつけているということ

 さて、関係者を処分するかどうかは、その組織の手法に関わることだから、軽々に私が論じることでもないが、職員全体を賃金カットするのであれば、それは電子カルテシステム導入の結果責任を、全ての職員が取らされているということではないの?と返答する。
 そしてその病院、もっと大きなプロジェクトを別途進めているとの情報も聞いた。だからなおさら今そのシステム導入の結果責任を明確にしておかないと、別のプロジェクトが失敗したときに、結局あなたたち職員が今以上に賃金カットされて終わる可能性が高いよ、とも指摘しておく。

 その病院は10年前、電子カルテシステム導入に失敗して数億円規模の損失を出し、誰も責任を取らなかった(そのときも職員への賃金カットはあったようだ)ことを記憶している私は、ここはやっぱり相変わらずだなあ、と嘆息するしかないのであった。10年前は電子カルテ導入に成功しないところは結構あって、その時点できちんと導入評価と組織の作り直しをしていれば、今回のような経営危機は避けられただろうに。

 失敗をとやかく責めないことは良いことではあるのだが、失敗から何も学ばず、誰も責任を取らない無責任体制とは別のことだろうとも思う。

 思えば私もいくつもの失敗をしてはきた。とはいえ、かの病院のように情報システムが経営に穴を空けることもなく、経常収支はありがたいことに順調だ。一方で喜ぶ事務長に「職員は心臓から出血しながら働いているよ」と厳しい指摘もする私でもある。
 そのような職員に報いるようなシステム管理を、今後も進めていけたらと思う。
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コメント 4

えんや

こんな日本に誰がした?ですね。
歴史から学ばない政治家の集団、、、日本の政治をしています。
悲しいことです。
ドイツに学びたいですね。
私たち国民がそのことに目覚めないとですね。
by えんや (2016-09-11 20:24) 

Mosel

えんやさん、コメントありがとうございます。
おっしゃるとおり、歴史から学ばない集団が政界の多数を占めています。そんな状況を「忖度」して、マスコミも国民も極右的な傾向へ引っ張られているかのようです。
歴史に学ばないということは、責任をとらないということと同意です。こんな政治の行く末は、破滅以外にありません。
by Mosel (2016-09-12 07:09) 

ponnta1351

詳しい事は良くわかりませんが、今回の豊洲の件も誰が責任を問われるのでしょう。石原、猪瀬、桝添何をしていたんでしょうね。
by ponnta1351 (2016-09-12 11:43) 

Mosel

ponntaさん、こんにちは。
豊洲移転決定は石原の時代でしたが、あの小心者は何の責任もとらないでしょうね。新銀行東京の時も、自分の息子を重用したときもそうだったし。田母神もそうですが、「国士」気取りの極右がこうして無責任であることは珍しくありません。
豊洲移転は以前から問題点が指摘されていて、今になって小池都知事の関係でマスコミが騒いでいます。昔からこの問題を知っている者としては「何だかなあ」という感想はあります。
by Mosel (2016-09-13 07:03) 

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